ひとつ前の当ブログに書いたように、テレビアニメ『サザエさん』が1969年に放映スタートしてから今年は50年目。声優さんは亡くなったりして交代しているものの、サザエさん一家は歳もとらず、昭和の家族のまま生活しています。それでも、番組最後、サザエさんが飴玉を口に放り込み「ウッ、ゴゴッ……」とノドに詰まらせるショットは「マネするとあぶない」ということでカットされたり、細かい部分では時代の空気には反映されざるを得ませんね。

『サザエさん』のテレビアニメ放送の前には、江利チエミさん主演で実写ドラマ化もされており、よく観ていました。(実は戦後すぐの1948年には東屋トン子さん主演で映画化されていましたが)何といっても「サザエさん」といえば、江利チエミさんで、映画も10本続くシリーズとなった(たしか舞台でも演じています)当たり役です。この江利チエミさんのテレビドラマ版では、マスオさん役の川崎敬三さんがこれまたピッタリの適役でした。

テレビドラマの『サザエさん』では波平が森川信さん、フネが清川虹子さんでしたが、その前、東宝で映画化された当初は、サザエのお父さん、お母さんには名前がついていませんでした。『サザエさん』(1956 青柳信雄監督)で、藤原釜足さんがハゲヅラを被って演じたお父さんは「サザエの父」、清川虹子さん演じたお母さんは「サザエの母」とプレスシートに出ていました。サザエ、カツオ、ワカメと子どもの名前があっても、父母に役名はないのです。まるで「バカボンのパパ」みたいですね。映画を観ると、サザエの住む家の表札は「磯野松之助」となっていますから、釜足さんが演じたお父さんは「波平」じゃなく「松之助」なのでしょう。これは、もしかしたら笑福亭松之助さんの名前からとったのかもしれません。というのは、今年(2019年)の2月22日に93歳で亡くなった松之助師匠は、明石家さんまさんの師匠として知られていますが、吉本興業所属。映画『サザエさん』のタイトルロールには、「江利チエミ(吉本)」と出るのです。当時、江利さんは吉本興業に所属していたのですねえ。他に小説家・神田大六先生の役でアチャコも出演されますから、吉本がらみでお父さんの名前に「松之助」とつけたのではと推測しています。(サザエの妄想で、アチャコさんがデパートで6歳の女の子の服を着る姿が登場し爆笑ものです)

この第1作、サザエが友人(若山セツ子さん)の紹介で出版社に入ります。同じビルに入っている会社に勤めているマスオ(小泉博さん)と出会いますが、出版社は一日でクビ、マスオの紹介で「探偵事務所」に入ると、所長が森川信さん。かと思えば、磯野家に下宿するノリスケ役で若き仲代達矢さんが出ていて、鶏小屋に閉じ込められて「コケコッコー!」と叫んだり楽しい作品でした。

何といっても、江利チエミさんがサザエさんそのものという感じで、これ以上のキャステイングが考えられないほど、ハマっているのです。その後も、星野知子さんや観月ありささんもサザエを演じたし、今年は舞台で藤原紀香さんも演じていましたが、チエミさんには遠く及ばないですねえ。もちろん、チエミさんの歌もしっかり聴けます。サザエが妄想に浸るとミュージカル調の場面になって、近所のお店の御用聞きたちを演じるダーク・ダックスがコーラスをつけたり、サザエが初出勤でウキウキした気分で♪ヴィヴィデ、バビデブー~ とか歌うシーンの楽しさ!

そういえば、「御用聞き」というのもなくなりましたね。この映画には、他にも、「火鉢」にまたがり叱られるカツオ、「ほうき」を逆さに立てかけ手拭いかぶせる、客が早く帰るおまじない?など、昭和の生活風景が満載です。  (ジャッピー!編集長)

 

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