1月3日に初詣に行ってきました。僕は、毎年、浅草寺に御参りすることにしています。(当ブログでも、2017114日「浅草にて1勝14敗」、2018年1月14日「浅草寺で見た異様な景観」、2019年1月8日「浅草にて平成最後の初詣風景」と書いております)これはなぜかというと、初詣のあとに浅草で映画を観ることを習慣にしていたからです。「浅草名画座」に行くと、3本立てに正月映画として公開された『男はつらいよ』シリーズの1本と『トラック野郎』シリーズの1本が並んでいて、過去作とはいえ、場内にも笑いが起きて何とも良い雰囲気で映画を観れたのです。

そんな気分が味わえた「浅草名画座」や「浅草中映」も2012年(平成24年)1021日(日)をもって閉館となってしまい、完全に浅草の街から映画館は消滅してしまいました。(その閉館日の様子については当ブログ2018年2月7日「浅草名画座最終日上映の3本」をお読みください)が、身についた習慣を変えることが苦手な僕は、その後も「初詣」は浅草と決めて訪れているのです。気が向けば、「浅草演芸場」などに入って落語の顔見世興行を楽しむこともありますが、たいていはブラブラと六区のあたりを歩いています。今年も、おみくじを引いたあと、甘酒を買って飲み、六区方面に出てみると、かつて「浅草中映」など5館が入っていた建物の跡地にどーん!とビルが建設されていました。ホテルのようですから、今年の東京オリンピック、パラリンピックを見越したものでしょう。昨年のお正月に来たときには、まだ工事中のシートが囲んでいるだけでしたので、びっくりすると同時に、寂しさを感じました。何を今さらと思われるかもしれません。もうそこに映画館はないのは、とうに分かっているのです。しかし、実際に「そこ」に別の建物が建っているのを見ると、ああ、本当に無くなってしまったんだなあ……とリアルな喪失感を覚えるのでした。

ここで、数々の映画がかかり、スクリーンに映し出される渥美清さん、文太さん、健さんや鶴田浩二さん、藤純子さんなどの活躍に快哉をおくった人々の思いにあふれたことも、新しいホテルが建ち、そこにまた別の賑わいが生まれれば忘れ去られていくでしょう。ここに映画館があったことなども知る人もどんどんいなくなっていくでしょう。

桃さんの勘違いに笑い、寅さんの実らぬ恋にしんみりし、健さんと池部良さんの殴り込みに心躍らせた僕にとって大事な場所でしたが、これからはオリンピックや観光に来た外国人客などがまったく関係ない時間を過ごしていくのでしょう。

何だか、映画の夢が行き場を失ったように感じてしまいます。今までも、そうやって街は形を変え、新しい景観を生み出してきたのでしょうから、僕の思いは単なる感傷なのかもしれません。しかし、「言霊」という言葉があるように、映画館でスクリーンを見つめた多くの「映画を観た人々の思い」がこの地に充満しているように思うのです。それらはどこに行ってしまうのかと思うと淋しさを禁じ得ません。そんなことを思いながら、外国から来た人が目立つ浅草をしばし散策したのでした。

(ジャッピー!編集長)

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