ひとつ前の当ブログで『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2019 片渕須直監督)のことに触れました。前作もそうですが、戦争が起こっていても、人々の暮らしは続いていて、その苦しい中での生活描写を丁寧に描きこんでいるところがこの映画の素晴らしいところです。特に、食材を見つけたり、食事を作ったりの場面が多く取り入れられています。戦時中で食べ物が不足している中で、すずさんが工夫して「楠公飯」を作ったりします。戦争が起こっていようが、生きている限りは食べなければなりません。まさに「食べる」というのは、生活の根幹を成すものであるのです。そういえば、劇中、「私たちは、あるものを使って暮らしを続けることが戦うことなのよ」というセリフがありました。理不尽な戦争に立ち向かうには、何とか工夫してあるもので服をつくろい、腹を満たし、生きるしかないのです。

つまり「食べる」ことはイコール「生きる」ことと言っていいのでしょう。最近、僕はそれを実感しています。昨年の夏、入院、手術という、どちらも人生初の経験をして、それ以降いまだに通院していますが、今も服用する薬のせいか、体質が変わったのか不調になることが多いのです。そんな僕を心配してくれて、先日、信頼する友人が「自然療法」に関する文庫本を貸してくれました。この本は、自然の生命力あふれる食べ物をいただいて健康を取り戻すということを勧めています。これを読むと、肉とか魚だけでなく、お米や野菜といったものにも生きた「いのち」が満ちているということが分かります。そういった自然の生命力が隅々まであるので、野菜の普段捨ててしまう部分とかも無駄にせず食べれる工夫が出来ることや、野草の効用なども書かれていました。『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』にも、すずさんが、おかずに加えようと野草を摘むシーンがありました。

この本を読むと、いかに自分がいいかげんな食生活を送っていたか痛感させられます。その報いが昨年、病気という形で現れたのでしょう。教員として勤めているときは、朝5時過ぎに家を出て、途中のコンビニでおにぎりを買い、お昼休みも何やかやと仕事が入り、まともな時間に食べれないことが多かったなあ。それで、帰りは映画館に通っていたから、上映時間に間に合うように、秒速で立ち食いそばをすすったり。この本の中にも「よく噛めば、体の声が聞こえます」という章がありましたが、まさに早食い、とにかく腹に入れりゃいい……という食生活でした。「よく噛む」なんて当たり前のこともしてなかったツケが今になって出てきたのです。

日本の伝統的な食卓に並ぶ「梅干し」や「たくあん」などの効用など知ると、本当に昔からの「知恵」というのはすごいと思います。これからは、この本に書かれている全部を実践するのは無理にしても、食べ物を「意識」して、できる手間はかけていこうかなと思っています。病気になったことは、そういう切っ掛けを教えてくれたのだと思うようにしています。

(ジャッピー!編集長)

 

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