今週月曜日の臨時国会での冒頭行われた安倍首相の所信表明演説。海上保安庁、警察、自衛隊に「今、この場所から心からの敬意を表そう」という呼びかけに自民党議員が総立ちで拍手するという場面がありました。野党はもちろん自民党内部にも異様な光景と映った人もいたようです。僕も、今までの議会で見たことのない光景で、「大政翼賛会」とか「恐怖政治」「独裁国家」といった単語が20個ばかり頭の中を駆け巡りました。これまで「戦争と人間」シリーズ(1970~1973 山本薩夫監督)や「激動の昭和史 軍閥」(1970 堀川弘通監督)ダウンロード (9)
といった映画で見ていた「歴史が傾いていく瞬間」を、現実に目の前で見てしまったという感じ。何とも気持ち悪いです。
これより前、12日には安倍首相、「シン・ゴジラ」(2016 庵野秀明監督)について「自衛隊の皆さんがカッコよく描かれていて国民の揺るぎない支持が大ヒットの理由」などと語ったのです。何でも都合よく引き合いに出すなあとあきれましたが、「シン・ゴジラ」という映画自体、政治利用される危うさがあることは大いに感じます。
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第1作の「ゴジラ」(1954 本多猪四郎監督)のゴジラが核爆弾の恐怖を象徴しているように、今回のゴジラが東日本大震災のメタファーであることはわかります。想定外の災害にどう立ち向かうか…狙いはわかります。ゴジラが形態を変える(進化する?)というのも、地震、津波から原発事故という流れを踏まえているように思えました。しかし、一般人をほぼ排除し、政府の危機管理や対応だけに絞り、官僚、最新鋭の兵器を行使する自衛隊をひたすらカッコよく描く展開は、国策映画と言われても仕方ない匂いがします。「日本はこんなものじゃない」という台詞なんか、国としてのプライドを取り戻そうとネオ・ナショナリズムを進める安倍首相がいかにも言いそうじゃないですか。「上からの」日本の結束、に見えるメッセージが気持ち悪かったです。うがった見方をすると、安倍政権が民主的手続きをふっ飛ばして憲法改正を急ぐ状況、オリンピックというナショナリズムが高揚しやすい時期の公開も勘ぐってしまいます。
特撮、ゴジラ映画好きの僕はワクワクしながら公開されてすぐ観たのですが全く楽しめなかったし、世の中絶賛する人で一色なのも驚きというか、まさに怖いものを感じました。個人的な映画の好みからしても、会議とかシステムばかり描いて、人間ドラマが欠如している点がつまらなかったです。登場するのが、「次の首相はお前だな」とか人格を感じられないエリート人間ばかりで好きになれないし。写真出演しているせいか、世間では岡本喜八監督作品に似ているとか、影響うんぬんと言われてますが、全く違いますねえ。   (ジャッピー!編集長)
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