昨日、土曜の夜とあって、渋谷はハロウィンで遅くまで賑わっていたようです。しかし、いつ頃からこんなに盛り上がるようになったのですかね。2年前だったか、仕事の帰りに渋谷に行こうと電車に乗ったのです。僕の場合、寄り道するのは、「映画館に行く」ということで、その日も見逃したくない映画を渋谷でやっていたのです。新宿で乗り換えして山手線に乗ったら周りはゾンビだらけ。そこで、ハロウィンの日だったのに気付いたのですが、前の席に座っているのも、隣の吊り革につかまっているのも、みんな不気味なメイクをした人々ばかり、普通にスーツを着ているのが僕だけという状況。そして渋谷で一斉に降りたのですが、もうホームは満杯、隅の方でゴソゴソと着替えている人とかもいて混乱状態で、改札までたどり着けない。これは、たとえ駅を出てもまともに歩けないだろうから上映開始時間には間に合いそうもない……という判断をして、僕は泣く泣く映画を諦めてそのまま帰宅したのです。そんな怨みというわけでもないですが、あのコスプレして騒ぎまくる狂態、日本はどうなってしまったのだ……という思いにとらわれます。だいたい、ハロウィンの本来の意味も関係なく、ただ騒げる機会があれば何でもいいという感じ、国民をアホな状態にして不平不満をそらすために国家権力が絵図を描いているのかとも思ってしまいます。
「美わしき歳月」(1955 小林正樹監督)は、152908_detailImage1
東京の片隅で祖母と花屋を営む桜子(久我美子)と戦死した兄の友人たちとの交流を描いた好篇です。敗戦から10年、ここにも戦争の傷を未だ引きずりながら生きる市井の人の暮らしがあります。桜子の祖母は交通事故(未遂?)に合い、その車に乗っていた老紳士が病院に連れていってくれたことがきっかけで親しくなります。祖母と老紳士を演じるのは、田村秋子さんと小沢栄太郎さんですが、この二人が茶飲み友達としていい感じ(老いらくの恋未満)で微笑ましいのです。小沢さんは桜子も気に入り自分の息子と結婚させたいと願って、デートをセッティングします。時はクリスマス、キャバレーのホールでダンスする桜子たち、周りは赤い帽子をかぶった若者たちが大騒ぎ。その光景を見ながら、田村さんが「この人たち、何が楽しいんでしょうねえ」と言うと、小沢さんが「さあ…楽しいことがないからこうしてるんでしょう」と答えます。
テレビのニュース番組で映し出されるハロウィンの狂騒にまみれた街を見て、そのシーンを思い出しました。いつの世もこういうことは繰り返されていくのでしょう。そして、僕はこの映画の田村さん、小沢さんの側になっていて、結局……僕も年老いたということですかね。   (ジャッピー!編集長)




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