健さん、文太さんとも今年は三回忌。一昨年、同じ11月に前後して亡くなったとき、本当にショックでした。僕はちょうど、職場を辞めようかどうしようかグズグズ考えていた頃でした。相次いで亡くなったお二人が初共演されたのは、文太さんが東映移籍後、初出演となった「網走番外地 吹雪の斗争」(1967 石井輝男監督)です。この作品には、安藤昇さんも出ているのでその“引き”もあったかもしれませんね。また、新東宝時代に文太さんを起用したこともある、かつて知ったる石井監督ということもあって東映移籍第1作となったのでしょう。
続いて、翌年、再び健さんと共演したのが「ごろつき」(1968 マキノ雅弘監督)です。まだ脇役に甘んじて決定打のない文太さんでしたが、この作品では健さんの弟分という目立つ役どころまで来ました。
冒頭、九州の寂れた炭鉱で働く健さんと文太さん、テレビでキックボクシングの試合(当時、大人気でゴールデンタイムで放映していたのだ!)を観て、「俺たちにもやれそうだな」と即断、先の見込みのない炭鉱を飛び出し、上京します。着いたのが新宿、1968年といえば、ヒッピーたちがシンナーを吸ってラリっているような風景で、そこに田舎者丸出しの二人が右も左もわからずウロウロするのが笑えます。二人は何とか、見つけ出したボクシングジムに入門します。ジムの会長は大木実さん、トレーナーが曽根晴美さんと任侠映画っぽいキャストですが、いたって真面目なジムです、念のため。健さんがロードワークに励む珍しいシーンもあります。
ジムが決まって、次は住む所です。二人は大金持ちの婦人が住む家に、犬の散歩係をする条件で住み込みます。豪華な食事を見て二人が大喜びすると、実はそれは犬の食事だったりしてガックリ。犬より粗末な部屋に住まわされた二人は、犬の食事を盗み食いして解雇されてしまいますが、このあたりの文太さんのコミカルな演技は後年の「トラック野郎」シリーズ(1975~1979 鈴木則文監督)の文太さんの遠い予兆を感じます。
その後、愚連隊にからまれている「流し」を助けた縁で、二人は「流し」のバイトを始めます。酒場で客のリクエストに応えて、文太さんがギターを伴奏して健さんが「網走番外地」「唐獅子牡丹」を唄う(!)なんて楽しい楽屋落ちシーンがあります。健さんはめきめき上達してチャンピオンに挑戦、というレベルまできます。このままでいくと、ちょっとコメディ・タッチながら、当時流行りのスポ根ストーリーなんですが、先に言った「流し」の縄張り争いみたいなことから悪玉ヤクザの横暴が始まり、巻き込まれた健さんはガマンの末、とうとう殴り込む……と、いつもの任侠ものみたいな展開になります。
何だか、前半と後半がガラッと違う感じですが、スポ根と任侠のミックス、1粒で2度おいしい映画とも言えます。スポーツに励む健さんやちょっと弱気な弟分の文太さん、お二人の「流し」姿の歌も聴けて、当時のキックボクシングのチャンピオン・沢村忠の雄姿まで見れるのですから、サービス満点の映画です!
(ジャッピー!編集長)
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