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昭和40年男増刊 2023年9月号「あゝ夏の甲子園 昭和の高校野球、熱闘の軌跡」(2023/7/26発売)

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すべての高校野球ファンに捧げる『あゝ夏の甲子園』は、『昭和40年男』で折に触れ掲載してきた高校野球の記事を一冊にまとめたものである。2009年の創刊以来、本誌では71年代から89年までの約20年間に繰り広げられた主要の名勝負を取り上げ、その当事者である選手や監督に取材を重ねてきたが、今回それらを完全網羅しつつ、新規原稿を加えて、昭和の高校野球の決定版という体をなしている。登場する元球児は、73年に広島商で全国制覇した達川光男、74年に銚子商で全国制覇した土屋正勝、同じく74年に東海大相模との熱戦を制し、一躍甲子園のアイドルとなった鹿児島実の定岡正二、アイドルといえば、忘れられない77年の東邦高校・”バンビ”坂本佳一など、昭和の高校野球ファンであれば、きっと覚えているだろう人物が当時を振り返る。また、球史に残る一戦、延長18回の死闘となった79年の星稜対箕島や、83年の甲子園を轟かせた池田のやまびこ打線、85年のPL学園のKKコンビ、そのKKコンビを凌ぐ春夏制覇を達成したPL学園を立浪和義が語るなど、彼らの証言は、貴重かつ、歴史価値が高いものばかりで、その詳細な記憶と言葉の熱量に圧倒されてしまう。新規掲載記事の目玉は80年から82年にかけて春夏5期連続で甲子園出場を果たした早実の荒木大輔へのロングインタビュー。あの時代、なぜ彼だけが特別だったのか、社会現象になるまでの人気者になったのかを、40年の年月を経た今、本人が冷静に当時を振り返る。必見の内容である。そのほか、熱烈な野球ファンにして高校野球マニアである作家・島村洋子が、自身の記憶をさかのぼり、東海大相模・原辰徳の魅力を考察し、隠れた名勝負といわれる78年の高松商対仙台育英の延長17回の熱戦を振り返る。昭和40年男の読者はもとより、高校野球、ひいては昭和の野球が人たちにとって必須の1冊というべき充実の内容になっている。




1980年、彗星のごとく甲子園に現れた早稲田実業・荒木大輔。空前の〝大ちゃんフィーバー〞が過熱するなか、荒木は3年の夏まですべての甲子園のマウンドに立ち続けた。ここでは早実野球部の絆と大人びた気風、本当の強豪校との対決、自らも憧れた〝甲子園スターの継承〞などとともに甲子園への思いを聞く。



1974年夏の準々決勝。原貢・辰徳の親子鷹で鳴らす優勝候補・東海大相模を下したのは、定岡正二を中心とした鹿児島実業だった。一夜にして無名のエースをスターに押し上げた名勝負を定岡が振り返る。



1974年夏の甲子園、野球が盛んな漁師町の古豪・銚子商(千葉)がついに頂点に立つ。2年生エースとして前年夏に作新学院の怪物・江川卓に投げ勝った土屋正勝は最後の夏、右腕の痛みを抱えながらマウンドに立ち続けた。その熱投を支え続けたものはなんだったのか。



かわいらしいルックスとは裏腹の、度胸満点の投げっぷり。1977年夏の甲子園で東邦の1年生投手・坂本佳一がチームを準優勝に導く好投を見せる。因縁の“名電”を倒すために一般受験での入学から強豪野球部の門を叩いた少年は、甲子園アイドル〝バンビ〟として一躍時の人となった。



高校野球史上最高の試合のひとつとして、今も語り継がれる1979年夏の3回戦、箕島対星稜。多くの昭和40年男の記憶にも刻まれていることだろう。劇的な展開が続いたこの試合を経て、公立高校初の春夏連覇を果たした箕島高校の奇跡を追う。



投手の身体を守るための球数制限といった制度改革と歩調を合わせて“脱根性論”が進む高校野球。しかし高校野球こそ、ど根性と反骨が燃える泥くさい世界だった。ここでは1980年夏の甲子園を制した愛甲猛に横浜高校で培ったど根性、そしてその闘魂が支えたプロ時代について聞く。



1981年夏、「高校生では打てない」と恐れられたカーブで、名古屋電気・工藤公康が甲子園をキリキリ舞いさせる。そのすごさと名電高快進撃の物語を、工藤を中学3年から知り、共に“最後の夏”を聖地で戦った捕手・山本幸二に聞く。



いつの時代も日本人を虜にする〝甲子園〞の3文字。その魅力はどこにあるのか。〝甲子園の申し子〞の一人、池田高校野球部出身の水野雄仁に話を聞いた。



大観衆を呼び、甲子園人気をピークに導いたPL学園の桑田真澄と清原和博。まさかの選抜準決勝完敗から悔しさを知り、慢心を捨てた王者PLは夏の頂点まで駆け上がり、KKコンビはこれ以上ない有終の美で最後の夏を締めた。


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