ハッピー昭和クラブ

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話 あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話
あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

「黒の斜面」市原悦子さんの名演を見よ

昨日の当ブログ「追悼・市原悦子さん」でちょっと触れた「黒の斜面」(1971 貞永方久監督)は加藤剛さんと岩下志麻さんの主演。そうです、松本清張さん原作「潜在光景」を映画化した「影の車」(1970 野村芳太郎監督)と同じコンビです。(当ブログ2018年6月12日「岩下志麻さんと子役」もご参照ください)おそらく「影の車」がヒットしたので続けて企画されたのでしょう。この時期の岩下さんといえば、「内海の輪」(1971 斎藤耕一監督)、「嫉妬」(1971 貞永方久監督)「影の爪」(1972 貞永方久監督)とサスペンス映画の女王という感じでした。
「黒の斜面」は、加藤剛さんが部長から大阪出張を命じられるところから始まります。大金を持って取引に行くので課長昇進のかかった大事な仕事です。取引は明日ですが、今夜の飛行機で行くよと家を出ます。次の場面がいきなり加藤さんと市原悦子さんのベッドシーンでちょっと驚かされます。加藤さんは愛人の市原さんの部屋で一泊してから出張しようとしているのです。ベッドから離れた加藤さんがシャワーを浴びている間に、聞こえるように市原さんは「出会いからの二人のこと」を延々と語ります。この「ひとり語り」、さすが後年の「日本昔ばなし」の語り部になるのを予感させる巧さです。さらに「ねえ、あなたの奥さん、一度見たことあるのよ。あんなキレイな奥さんいてどうして私を抱いたの? 同情? 何なの?」(←市原さんの声、口調を思い浮かべてください)とネチネチと話しかけ、加藤さんを絶対離さないという意志が滲み出ます。
そして、テレビに「飛行機墜落事故」の臨時ニュースが映ります。加藤さんが乗っているはずの飛行機です。市原さん、シャワーを浴びている加藤さんには黙っていて、翌朝、加藤さんが知ったときには既に自分が搭乗者として死んだことになっています。小心な加藤さん、今さら大金を持ったまま愛人の家にいて助かったと申し出ることができません。上司から叱責されること必至です。市原さんは「あなたは亡くなったことになっているのよ。私とどこかでひっそり暮らしましょう」と迫ります。これを狙って「事故」を黙っていた市原さんに激高した加藤さん、思わず首を絞めますが殺せません。ズルズルと市原さんの部屋に身を潜めます、というかほとんど市原さんに軟禁されているようなものです。巣にかかった獲物にじわじわと近づくような粘着質の女、まさに市原悦子さんの独壇場です! 
市原さんの演じる女は小さなガラスの動物をコレクションしていて、監禁状態にイライラした加藤さんがその動物の置物を乱暴に扱うと、「何するのよ! 私が大事にしてるのに!」と市原さんがすごい剣幕で怒鳴ります。、孤独な女性を表す見事な小道具になっているこの置物、テネシー・ウィリアムズさんの「ガラスの動物園」を思わせます。もしかしたら、舞台人だった市原悦子さんのアイデアだったのかもなどと思いました。 (ジャッピー!編集長)
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追悼・市原悦子さん 「青春の殺人者」と「黒の斜面」

1月12日に女優の市原悦子さんが82歳で亡くなりました。時々、NHKの「おやすみ日本」の中で市原さんが「語り」となさっている「日本眠いい昔ばなし」を聴いていたのでお元気なのかと思っていましたが……残念です。昨年、常田富士男さんが亡くなっているので(当ブログ2018年12月23日に「追悼・常田富士男さん」を書きました)「日本昔ばなし」の名コンビがいなくなってしまったわけです。本当に「昭和」が遠くなったと感じます。
その「日本昔ばなし」と並んでTVの代表作が「家政婦は見た!」シリーズで、市原さんの訃報を伝えるニュースや記事もだいたいこの2つを見出しに掲げていました。「家政婦は見た!」は僕も初期の何作か観たことがありますが、雇われた家庭(その家政婦さんを雇うぐらいだから大抵セレブ)の恥部や秘密をのぞき、最後は破滅させてしまうコミカルかつブラックな作劇が面白く、市原さん以外には考えられないハマリ役でした。雇い主から叱責されても「のぞき」「さぐり」を続けるしつこさが庶民の生命力を表しているようでした。
そんな市原さんの粘着質のキャラクターが炸裂した映画が「青春の殺人者」(1976 長谷川和彦監督)です。実話を基にした中上健次さん原作の映画化で、水谷豊さんが父親(内田良平さん)を殺害してしまいます。すると、夫の死体を目の前にしながら、息子に対して共犯性を押し出して、あろうことか息子を男として関係を求めるのです。当然のように水谷さんに拒絶されると、今度は無理心中を迫るという粘っこさ。このシーンにおける市原悦子さんの演技の熱量が圧倒的でした。この父母(内田さん&市原さん)は戦後を懸命に這い上がってきたという設定で、「親殺し」に至る水谷さんとの「世代」の断絶と衝突がテーマとしてあると思いますが、この映画が「キネマ旬報ベストテン1位」を獲得するなど名作となったのは、市原さんの存在抜きにしては考えられません。
あと、「黒の斜面」(1971 貞永方久監督)で愛人(加藤剛さん)をつなぎとめようと「飛行機事故」を隠し、加藤さんを死んだことにしてしまう女の役も市原さんならではの粘っこさでした。昨日、いくつかスポーツ新聞なども見ましたが、「主な出演映画」の欄に「青春の殺人者」も「黒の斜面」も書かれていませんでした。せいぜい日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞された「黒い雨」(1989 今村昌平監督)をあげているぐらいで、記者には「何か大事なものを忘れちゃいませんか」と言いたくなります。
女優、声優として、数々の映画、TVドラマ、舞台で活躍された市原悦子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。 (ジャッピー!編集長)
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「ゴー・ゴー・ナイアガラ」的ビートルズ特集

最近のラジオのお楽しみは、ラジオ日本の「ゴー・ゴー・ナイアガラ」です。そうです、あの大瀧詠一さんがD.J.をつとめた伝説の音楽番組が、「ラジオ日本開局60周年記念」として再放送されているのです。しかも放送当時そのままのノーカット! デジタルリマスターしての放送でまさにレガシーとしてちゃんと保存していたというのが嬉しいです。日曜日深夜25時からの放送で、昨年の12月23日からスタート、初回は「クリスマス」という季節柄、「ビーチ・ボーイズとフィル・スペクターのクリスマス・アルバム特集」でした。そして、30日の第2回の「キャロル・キング特集」が1975年6月に始まったときの「第1回」でした。年が明けて6日が「エルヴィス・プレスリー特集」、そして昨日(というか日付は今日ですが)が「ビートルズ特集」でした。
いきなり、エンジェルスの「抱きしめたい」で始まった番組は、「ビートルズ特集」といってもさすがは大瀧詠一さん、「ビートルズがかからないビートルズ特集」というヒネリ方です! 続いて、フレディ・キャノンさんの唄う「シー・ラヴズ・ユー」、以上の2曲は全くチャートにも上らなかったのに対し、3曲目にかかった「悲しき街角」(1961年に4週連続1位)で知られるデル・シャノンさんが唄った「フロム・ミー・トゥ・ユー」は1963年にチャートに入るヒットとなったそうで、ビートルズ本体がビルボード誌に登場したのは1964年なので、このデル・シャノン版「フロム・ミー・トゥ・ユー」が初めて全米チャートにのったビートルズ・ソングだということを大瀧さんが話しておられました。たぶん、こういう情報はネットが発達した今では、もっとトリビアなことまでクリックひとつで出てくるのでしょうが、この番組が放送された1975年当時は貴重だったと思います。大瀧さんがいかにポップス、ロック史をよく研究され精通していたかが分かります。
あとはビートルズがカヴァーした曲の原曲が何曲かかかりました。チャック・ベリーさん「ロール・オーヴァー・ベートーヴェン」「ロックン・ロール・ミュージック」、シュレルズ「ベイビー・イッツ・ユー」、カール・パーキンスさん「ハニー・ドント」などです。その中で、リトル・リチャードさんのヴァージョンの「カンサス・シティ」がかかったのですが、「これ、ビートルズのと違うとお思いでしょう」と大瀧さんがおっしゃり、もう一曲リチャードさんの「ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ!」をかけて、ポール・マッカートニーさんがこの曲を「カンサス・シティ」にミックスしたことを紹介しました。このエピソードは僕も知っていましたが、実際に元の2曲を聴くと「なるほど!」と感じるのでした。ちなみに、昔は「カンサス・シティ」と曲名表記されていました(僕の持っている古いレコード「ビートルズ・フォー・セール」も「カンサス・シティ」)が、いつからか「カンサス・シティ/ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ!」となって今売っているCDはこの表記で統一されてます。
この再放送では、毎回、放送後に音楽評論家の宮治淳一さんのコメントが入りますが、今回は追加として本編と逆にロック創成期のスターがビートルズ・ナンバーをカヴァーした曲として、ファッツ・ドミノさんの唄う「レディ・マドンナ」をかけ、これもナイスな選曲でした。
テレビではよく再放送ってあるけれど、ラジオでもこういう企画もっとあっていいと思います。この「ゴー・ゴー・ナイアガラ」再放送は3月までの14回放送だそうですが、せっかくだから全部、蔵出ししてほしいなあ! 次回は「ロイ・オービソン特集」だそうです。 (ジャッピー!編集長)

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行く先々で災難のポール・カージー(チャールズ・ブロンソンさん)

昨日の当ブログで、「デス・ウィッシュ」(2018 イーライ・ロス監督)を紹介しました。相変わらず「銃」による無差別乱射事件の絶えないアメリカで「学校の先生が銃を持ち武装すればいいんだ」なんてトランプ政権がとんでもないことを言っていましたが、そういった意見を補完するように作られた映画のようにタイミング的に見えます。
昨日も書いたように、この作品は「狼よさらば」(1974 マイケル・ウィナー監督)のリメイクですが、当時はニューヨークとか治安が悪かった背景もあったと思います。当時の僕はというと、呑気なガキだったせいもあって、何となく「西部劇」の現代版みたいな感覚で観ていました。この「狼よさらば」は好評だったのでしょう。シリーズ化されて、「ポール・カージー」はチャールズ・ブロンソンさんの当たり役となって全部で5本製作されました。この手のシリーズものの宿命で、本数を重ねるごとに武器が派手で大掛かりになり、その分、ストーリーは大味になっていきました。
2作目は「ロサンゼルス」(1982 マイケル・ウィナー監督)です。(原題は”Death WishⅡ”。以後、3、4、5と続きます)ジミー・ペイジさんが音楽を担当したのでちょっと話題になりました。邦題通り、カージーはロサンゼルスに移住しています。第1作で妻を殺された辛い過去がありますが、もう新しい恋人がいたりします。ただ、娘さんは暴漢に襲われたことがトラウマになっていて精神的に不安定です。そんなロスでの新生活ですが、またまた自宅が暴漢に襲われて家政婦さんが殺され、娘さんは拉致されてしまいます。再びの災難にカージーはまた銃を持って立ち上がります。2度目の「自警団ひとり」ですからもう慣れたものです。悪玉を撃ちまくって退治しますが、娘さんは命を落としてしまいます。それにしても、引っ越した先でも暴漢に襲われるとは何と不運な……。
と思っていると、3作目、4作目、5作目とほとんど同じ展開が繰り返されます。もう題名もすぐに出てきませんが、またニューヨークに戻って悪人退治に励みます。武器はどんどん強力なものになっていき、もうこの人が元々、暴力と無縁の建築家だったことが信じられません。何より、新作ごとに新しい恋人ができていて、モテモテなのもちょっとシラケるところでしたが、その恋人の連れ子が麻薬に溺れたり、前の夫がギャングだったりで結局また銃を持つ羽目になっちゃうので、女運が悪いとも言えますか……。あるいはカージーさん自身に「悪い人」を引き寄せる何かがあるのか。お祓いをした方がいいかもしれませんね。ともかく、シリーズが進むごとに劣化が進んでいき、もはや3~5作目の記憶はゴッチャになっていますが、ブロンソンさんは気持ちよくポール・カージーを演じていました。
(ジャッピー!編集長)

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「デス・ウィッシュ」が今、リメイクされる意図

昨日の当ブログで書いたように、なぜか何十年ぶりに観る映画が重なった昨年後半ですが、昭和時代に観た作品のリメイクもありました。「デス・ウィッシュ」(2018 イーライ・ロス監督)であります。タイトルは原題をそのままカタカナにしておりますが、これは「狼よさらば」(1974」マイケル・ウィナー監督)のリメイクです。「狼よさらば」はチャールズ・ブロンソンさん主演。当ブログ2018年12月26日「追悼・バート・レイノルズさん」でバートさんを外国人俳優ながら「昭和」という言い方が似合う俳優と書きましたが、ブロンソンさんもまさに「昭和」の男と言いたくなる男くさい俳優ですね。
ポール・カージーが留守中に、暴漢に襲われ妻が殺され、娘も重傷を負わされます。警察に訴えますが捜査がモタモタしていて当てになりません。そこでカージーは自ら銃を手にして街のダニどもを始末するのです。「劇団ひとり」ならぬ「自警団ひとり」です。この基本的なストーリー・ラインは「狼よさらば」と同じ。違うのはブロンソンさんは建築家だったのに対し、「デス・ウィッシュ」のウィリスさんは医師です。いずれにしろ、知的な仕事で銃や暴力とは無縁の設定です。あえていえば、医師の方が「命」の大切さを強く認識しているかなと思いますが……。
ともかく、ウィリスさん演じるカージーもすぐに銃に慣れてバンバン悪い奴らを撃ち殺していきます。「自分の身は自分で守らなければいけない」といわんばかりの展開は、やはり共和党支持者のブルース・ウィリスさんが、今こそ作る意義があると思ったのかもしれません。(昨年も「銃乱射事件」があって高校生たちが「銃社会」にNOを訴えていました) しかし、これだけバンバンと撃ちまくられるのを見せられると、逆に銃社会の怖ろしさを感じてしまう観客もいるのでは? 僕もそのひとりです) 日本映画でもよく、左翼系の監督が「反戦」の意図で戦争映画(特に、特攻隊ものとか)を作ると、何だか見方によっては「戦争を美化」しているように見えてしまったり、逆に右翼系の監督が作った映画が左翼ぽく映ったりということがよくあります。それと同じでウィリスさん(共和党)の意図に反して「銃規制」に共感する人が増えたりするかも。
そんなことを感じた「デス・ウィッシュ」、今度の13日(日)~16日(水)に池袋・新文芸坐で上映しますのでお時間ある方は是非。 (ジャッピー!編集長)
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1975年「空飛ぶ鯨」でデビューしたちゃんちゃこのメンバー。デビュー40周年を経て昭和の素敵な時代の歌や出来事を再発見
ジャッピー!編集長
映画雑誌「ジャッピー!」を主宰する編集長
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昭和のあれやこれやをイラストにして解説。
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