ハッピー昭和クラブ

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話 あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

昭和大好きブロガー達による、昭和歌謡と映画のこぼれ話
あの映画は、あの曲はまさにそんな事だったのか!と感動再び!

三國連太郎さんの本気伝説『夜の鼓』

昨日の当ブログ「ショーケンと三國連太郎さん」で、逃亡犯役の萩原健一さんを刑事の三國連太郎さんが捕まえるシーンで、三國さんは「手加減せずに殴るからね。ごめんね。許してね」と前もって言われ、本番では髪をつかまれ、引きずり倒され、本気でボコられたわけです。
こういった三國連太郎さんの「本気」演技は、他の作品でも数々の伝説を残しています。有名なところでは、『夜の鼓』(1958 今井正監督)です。この作品は近松門左衛門さん原作で、主君の参勤交代について江戸にいっていた夫(三國連太郎さん)が久々に帰ってみると、周囲の様子がおかしいことに気づきます。皆、何かを隠しているような雰囲気で、たまらず義弟にきいてみると、妻(有馬稲子さん)が鼓師の森雅之さんと密通をしたという噂が藩内に広がっているのです。封建時代ですから、妻が不義密通を犯したとなれば、それは「死」を意味する重大事です。果たして、真相は……というわけで、近松ものにちょっとしたミステリー的要素を加えた心理ドラマになっている名作です。有馬さん自身も「私的ベストテンを作るとすると、トップにあげたいほど愛着のある作品」と言っています。
今井監督も気合が入っていて、有馬さんの「待って」という一言の台詞が気にいらず、1週間もカメラを動かさなかったそうです。しごかれた有馬さん、ようやくOKが出てホッとするのも束の間、第二の試練があったのです。夫を演じる三國さんが有馬さんを殴りつける場面があるのですが、テストの段階から三國さんは全力でぶん殴ったそうです。「テストだから手加減して」と言うと、そのときは「ごめん」と謝るのですが、またテストとなるとすっかり忘れて本気モードになってしまうのだそうです。そして、本番、さらに渾身の力をこめた三國さんに殴られ、「やれやれ終わった」と思ったら、「落ち着いたらもう一度やろう」と言ったそうです。有馬さんは腫れた顔を冷やして2時間、腫れが引いてまた同じことを繰り返したのだそうです。
また、ラストは三國さんが敵討ちで、森雅之さんを斬るシーンですが、三國さんは本物の日本刀を持っていたそうです。その三國さんがすごい形相で迫ってくるので森雅之さん、本当に怖かったそうです。のちに「何とかに刃物だよ」と語ったそうです。
以前、三國さんが勝新太郎さんと対談した折、「僕はあなた(勝さん)と違って芝居や伝統芸の素養がないからねね。自分の体験や記憶を使い果たしてしまうと何か空なところから自分自身を作りあげなきゃならない」というようなことを語っていたのを覚えています。名優である三國さん、引き出しにないことを「本気」になることで補った「不器用」な役者だったのかもしれません。(ジャッピー!編集長)
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ショーケンと三國連太郎さん

6月15日の当ブログで書いたように、萩原健一さんが自身の主演作『青春の蹉跌』(1974 神代辰巳監督)の監督に神代辰巳さんを指名したのは、その前に『四畳半襖の裏張り』(1973 神代辰巳監督)を観て感心したからです。フランソワ・トリュフォー監督も絶賛したこの作品をショーケンが観る切っ掛けを作ったのが三國連太郎さんです。
ドラマの撮影で北海道にロケに行き三國連太郎さんと一緒になったとき、三國さんに『恋人たちは濡れた』(1973 神代辰巳監督)を薦められたそうです。それで、撮影オフの日に観に行ったそうです。三國さんと一緒に行ったという説もあります。北海道の田舎にひっそりと立つ小さな映画館に三國さんとショーケンが日活ロマンポルノを観に入っていくのも何だか映画の一場面のようですね。そこで印象に残ったのでしょう。ショーケンは東京に戻って『四畳半襖の裏張り』を観たという話です。それまで、「神代」の読み方も知らなかったというショーケンにとっては、自分の映画俳優人生に大きな出会いとなったわけです。
そんな切っ掛けとなった三國さん、押しも押されぬベテラン俳優となっても日活ロマンポルノの小品にも注目していたというのだからスゴイものです。名優という位置に安住せず、アンテナを張っているのがハンパないです。ショーケンの本格的映画主演となった『約束』(1972 斎藤耕一監督)(←当ブログ4月4日、7日をご覧ください)で三國さんはショーケンと共演しています。このとき、三國さんはショーケンに「ただ脚本に書いてある通りに演じるだけではいけない。自分なりに考えて、工夫をして、より良いものにしていこうという姿勢が大切なんだ」と言われたそうで、これは「俳優」としての心構えとしてショーケンには忘れられない言葉になったといいます。こののち、神代辰巳監督作品の現場でいろいろアイデアを出したりという姿勢の基本にあったのはこの言葉だったかもしれません。逆に、倉本聰さん作品に出て「脚本に一字一句従う」ということを自分の修業と位置付けたわけです。(当ブログ6月12日参照) 
『約束』では、逃亡犯のショーケンは映画のラスト近く、とうとう捕まってしまいます。刑務所に戻った岸惠子さんに差し入れしようと洋品店に入ったところを尾行した刑事に取り押さえられるのです。この刑事を演じたのが三國さんなんですが、このシーンの撮影前、三國さんはショーケンに「決して手加減せずに殴るからね。ゴメンね」と伝えていたそうです。そしてその通り、本気で殴られ、ボコボコにされたショーケンですが、この三國さんのやり方には大いに共感したそうです。撮影も一発でOKが出て、真に迫った名場面になっていました。
池袋新文芸坐では、明後日の22日(土)から8日間、「萩原健一さん追悼上映」が開催されます。初日にこの『約束』が上映されますから、是非このショーケンと三國さんの本気モードの演技をご覧ください! 併映は同じくショーケンと岸惠子さんのラヴ・サスペンス『雨のアムステルダム』(1975 蔵原惟繕監督)、こちらにも三國連太郎さんが出ております。  (ジャッピー!編集長)
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新潟、山形で震度6の地震

一昨日、新潟、山形で起こった地震、ケガをされた方にお見舞い申し上げます。無情にも、雨脚が強くなるという予報が出ており不安なことだと思います。土砂崩れなどで被害が広がらないように祈ります。今回、震度6強を観測した新潟県村上市には僕は2度、行ったことがあります。瀬波温泉に入ったり、「イヨボヤ会館」(イヨボヤとは鮭のこと)で見学しました。瀬波海岸は日本で一番夕日がきれいに見れる海岸と言われていて、その日没の時間に間に合うようにバスを降りて走ったのも良い思い出です。ああ、振り返ってみれば、僕の人生の黄金時代だったなあ……。そんな思い入れがある村上市、早く状況が落ち着くよう祈るばかりです。 (ジャッピー!編集長)
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永山則夫さんと遠くへだたる『銃』(武正晴監督)

大阪の吹田市で起こった拳銃強奪事件、犯人に刺された巡査の方も少し快方に向かっているとのこと、良かったです。犯人は昔の同級生の住所を騙って110番をかけ、交番に巡査がひとりになったときを狙ったようですが、動機などはまだはっきり分かっていません。
昨日の当ブログで、拳銃を奪われた刑事を粟津號さんが熱演した『俺の拳銃』(『大都会PARTⅡ』の一篇)を取り上げました。この作品では、犯人が個人的な恨みから「悪」を駆除しようと拳銃を奪ったのでした。
昨年観た映画で『銃』(2018 武正晴監督)がありました。僕は武正晴監督の作る映画が好きで、安藤サクラさんがロバート・デ・ニーロさんばりの肉体改造で女性ボクサーを演じた『百円の恋』(2014 武正晴監督)や、プロレス業界を舞台にした『リングサイド・ストーリー』(2017 武正晴監督)など僕の好みの映画でした。今年公開された、夏帆さんがダメ女子アナを演じた『きばいやんせ、私』(2019 武正晴監督)も良かったです。これらの作品はコメディ・タッチで、ハート・ウォーミングなドラマですが、中村文則さん原作の『銃』は冷え冷えとした感触の緊張感みなぎる作品でした。
村上虹郎さん扮する大学生がふと銃を拾って持ち帰ります。アパートの部屋に住み、ナンパな友人(岡山天音さん)に誘われ合コンに出て知り合った女性と適当にセックスをしたり、一方では大学の同級生(広瀬アリス)さんとは大事に付き合ったりもしているごく普通の大学生です。それが「銃」を手に入れ、ちょっと何だか心に余裕というか、微妙な変化が起こります。そういった内面の揺れ動きを村上さんが見事に演じていました。
公園で猫を撃ったことから、早くも警察が目をつけます。リリー・フランキーさん演じる刑事と対峙するシーンはすごいです。リリーさんが飄々と、しかし凄みのある空気を醸し出し、「銃は持てば撃ちたくなる。初めは猫でも、次は人を撃ちたくなるものです」と言う台詞が印象的です。
この作品、ずっとモノクロ映像で、ラストだけ突然カラーになります。このシーンにお父上の村上淳さんが出ていました。
この衝撃の結末は夢なのか、現実なのか……。村上さんの演じる大学生は、ある種、満ち足りていますが、特別な刺激があるわけではありません。殺したいほど憎んでる相手がいるわけでもなく、貧困や差別といった社会への憎悪もありません。そういった意味では「連続射殺魔」の「永山則夫」さんとは遠い隔たりがあります。しかし、その「所在のなさ」こそが、「銃」という力を手にしたことで満たされた気にさせてしまう怖さがあります。 (ジャッピー!編集長)
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ショーケンと神代辰巳監督の壮絶な現場『もどり川』

当ブログ6月15日「ショーケンと神代辰巳監督」で書いたように、『青春の蹉跌』(1974 神代辰巳監督)の主演にあたって、萩原健一さんは東宝に「監督は神代辰巳さんで」とご指名を出し、長谷川和彦さんの見事な脚本も相まって傑作となりました。(原作者の石川達三さんはカンカンに怒ったと言われていますが) この成功に次ぎ、二人は再びタッグを組んで『アフリカの光』(1975 神代辰巳監督)を作ります。ショーケンと田中邦衛さんがアフリカ行きを目指す役で、二人の関係やうらぶれた雰囲気が『真夜中のカーボーイ』(1969 ジョン・シュレシンジャ―監督)みたいで僕の好きな映画です。
この次にショーケンと神代辰巳監督が作ったのが『もどり川』(1983 神代辰巳監督)で、ショーケンは「神代さんとの仕事の中で一番良く出来た作品」と語っています。原作は連城三紀彦さんの『戻り川心中』。連城さんはショーケンをモデルにして書いた『恋文』で直木賞を受賞されています。のちに、そのショーケン主演で『恋文』(1985 神代辰巳監督)と映画になっていますが、連城さんは先にテレビに原作を売っています。『戻り川心中』も同様にテレビが先で、土曜ワイド劇場で田村正和さんが主演でした。ショーケンはこれにファイトを燃やし、神代監督もカンヌで賞を獲ろうと気合が入りました。
萩原健一さんが扮したのは、太宰治をモデルにした作家なので、ショーケンは当時の文士の写真を集めて研究したそうです。そして、例によって、ショーケンは様々なアイデアを出して神代さんが採り入れるという形で撮り上げています。そして、ショーケンは撮影時は麻薬を使っていたと回想しています。麻薬をやっていることは、「神代さんも知っていながら黙っていたんだろうな。阿吽の呼吸、暗黙の了解だよ」と語っていますが、たしかに何かが乗り移っているような迫真の演技を見せます。また、神代さんも演出にのめりこんで、ショーケンの妻役の藤真利子さんが胸を病んでいて吐血する場面でショーケンは台本通り背中をさすったら、神代監督「違う! 口で吸え!」と言って強烈なシーンになったといいます。いちばんスゴイのは、ショーケンが首を吊る場面で、もちろんピアノ線を付けていたのですが、それが切れて実際にショーケンの首に紐が食いこんでしまったそうです。ショーケンは「俺、逝っちゃったか」と思ったら、神代さんはにやっと笑ったといいますから、ショーケンも麻薬でもやっていないと持たなかったのかもしれません。
結局、映画公開前にショーケンは大麻取締法違反で逮捕、ひっそりと公開され、カンヌもコンペでなく特別招待作品の枠となり、神代監督念願の受賞も夢と消えてしまいました。(ジャッピー!編集長)
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きたさん
1975年「空飛ぶ鯨」でデビューしたちゃんちゃこのメンバー。デビュー40周年を経て昭和の素敵な時代の歌や出来事を再発見
ジャッピー!編集長
映画雑誌「ジャッピー!」を主宰する編集長
映画や昭和歌謡に底知れぬ造詣を示す昭和博士
ハピイ氏橋
昭和のあれやこれやをイラストにして解説。
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